M&Aの企業リストの作り方|最初の50社をどう集めるか
「買収したい会社はあるが、どこから探せばいいのかわからない」「候補企業を集めると言われても、何社くらい必要なのか見当がつかない」M&Aを検討し始めた企業が最初に直面するのが、この「企業リスト作り」です。実際、M&Aの成否は最初のリスト作りで大きく変わると言っても過言ではありません。この記事では、M&Aの企業リストをどのように作るのか、そして最初の50社をどう集めるのかについて、実務的な流れに沿って解説します。
なぜ最初に「企業リスト」が必要なのか?
M&Aというと、交渉や契約のイメージを持たれることが多いですが、実務上最も時間がかかるのは「相手探し」です。候補企業がなければ、当然ながら交渉も始まりません。そのため、最初に行うべき作業が「企業リストの作成」です。これは単なる作業ではなく、M&A全体の土台を作る重要な工程です。
いきなり100社ではなく、まずは50社を目標にする
M&Aでは、1社だけを狙って進める方法は現実的ではありません。売却の意思やタイミングは相手企業の事情によって大きく左右されるため、複数社へのアプローチが前提になります。ただし、最初から100社を目指すと負担が大きく感じられることもあります。そのため、最初の目標としては「50社」が現実的です。50社を集められれば、その後100社に増やすことも難しくありません。
企業リスト作成の全体像
企業リスト作成は、思いつきで進めるものではなく、ある程度の順序があります。基本的には次の流れで進めます。まず対象となる業界を決め、その次にエリアを決め、最後に企業を具体的に探していきます。この順序を守ることで、効率よくリストを作ることができます。
ステップ①:対象となる業界を決める
最初に決めるのは、対象とする業界です。同業種なのか、関連業種なのか、それとも新規分野なのかを整理します。この段階で大切なのは、最初から絞り込みすぎないことです。条件を厳しくしすぎると、候補企業そのものが少なくなってしまうためです。最初は少し広めに設定することで、候補の幅を確保することができます。
ステップ②:対象エリアを決める
次に決めるのが、対象となるエリアです。本社から近い場所に限定するのか、県内に広げるのか、それとも隣接県まで含めるのかを考えます。ここでも同様に、最初から狭めすぎないことが重要です。特に地方では、エリアを少し広げるだけで候補企業数が大きく変わることがあります。
ステップ③:企業を具体的に探す
業界とエリアが決まったら、実際に企業を探していきます。この作業は特別な技術が必要なものではなく、基本的には情報収集の積み重ねです。主な方法としては、インターネット検索、業界団体の名簿の確認、地図サービスの活用などがあります。これらを組み合わせることで、効率よく企業を見つけることができます。
実際の作成方法・豆知識
インターネット検索の活用方法
最も基本的なのが、インターネット検索です。「地域名+業種名」といった形で検索することで、多くの企業を見つけることができます。例えば「○○市 製造業」「○○県 建設会社」といった検索方法です。企業のホームページから、会社名や所在地などの情報を取得していきます。この方法は、誰でもすぐに始められる点が大きなメリットです。
業界団体や組合の名簿を活用する
もう1つ有効なのが、業界団体や組合の名簿を活用する方法です。これらの名簿には、一定数の企業がまとまって掲載されているため、効率よく情報を集めることができます。また、業界内で実際に活動している企業が掲載されているため、精度の高いリストを作りやすいという特徴もあります。
地図サービスを使った探し方
地図サービスを使って企業を探す方法もあります。地図上で企業を確認しながら探すことで、所在地や周辺環境を同時に把握することができます。特に、工場や店舗を持つ企業を探す場合には、この方法が有効です。実在感を持って企業を確認できるため、後のアプローチのイメージも作りやすくなります。
リストに入れる情報は最低限でよい
企業リストを作る際に、最初から多くの情報を集める必要はありません。最低限必要なのは、会社名、所在地、電話番号、業種の4つです。この4つがあれば、最初のリストとしては十分です。詳細な情報は、後から必要に応じて追加していけば問題ありません。
よくある失敗
よくある失敗①:最初から完璧を目指す
企業リスト作成でよくある失敗の1つが、最初から完璧なリストを作ろうとしてしまうことです。情報を細かく集めようとすると、1社あたりにかかる時間が長くなり、結果として全体の進みが遅くなります。重要なのは、まず数を集めることです。後から整理することはできますが、最初から完璧にすることは難しいものです。
よくある失敗②:条件を絞りすぎる
もう1つの失敗として多いのが、条件を厳しくしすぎることです。例えば「この規模で、この業種で、この地域だけ」といった形で条件を絞りすぎると、対象となる企業がほとんどなくなってしまいます。最初は少し広めに設定し、その中から整理していく方が現実的です。
リスト作成で大事なこと
最初の50社が作れると流れが変わる
実務上の感覚として、最初の50社を作れるかどうかが1つの分かれ目になります。50社まで到達すると、作業の流れが見えてきます。また、どの方法が自社に合っているのかも分かってきます。そこまで進めば、100社まで増やすことも現実的な目標になります。
リスト作成は「営業活動」に近い
企業リスト作成は、特別な専門業務ではありません。考え方としては、新規営業のリスト作成に近いものです。営業活動の経験がある企業であれば、同じような感覚で進めることができます。重要なのは、少しずつでも手を動かし続けることです。
自社の場合、何社必要かは状況によって変わる
ここまで読んで、「自社の場合は何社必要なのか」と感じた方もいるかもしれません。これは業種やエリア、目的によって大きく変わります。そのため、一般的な数字だけで判断するのではなく、自社の状況に合わせて考えることが重要です。
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