M&Aを自分でやる方法|仲介に頼らない買収の進め方
「M&Aをしたいが、良い案件が来ない」「仲介に頼んでいるが、なかなか進まない」そんな悩みを持っている経営者の方は少なくありません。実は、M&Aには仲介を通さず、自社で進める方法があります。この記事では、M&Aを自分で進める方法(直接アプローチ型M&A)について、実務目線でわかりやすく解説します。
M&Aは「仲介だけ」ではありません
多くの方が、「M&A=仲介会社に依頼するもの」と思っています。もちろん、これは一般的な方法です。しかし実際には、自社で買収先を探すという方法も存在します。これをここでは、「直接アプローチ型M&A」と呼びます。
仲介型M&Aの流れ(一般的)
- 仲介会社に依頼
- 案件を紹介される
- 検討する
- 条件交渉
- 成約
この方法は、「待つM&A」になりやすいのが特徴です。
直接アプローチ型M&Aの流れ
- 買収候補企業を探す
- 自社からアプローチする
- 面談
- 条件交渉
- 成約
こちらは、「動くM&A」になります。
この違いが、非常に大きいのです。
なぜ「自分でやるM&A」が増えているのか
最近では、自社でM&Aを進める企業も増えています。その理由は、主に3つあります。
理由①:案件が思ったほど来ない
仲介会社に依頼しても、
- 希望に合わない案件
- 条件が合わない案件
- なかなか紹介されない
こうした状況になることは珍しくありません。特に、買い手企業側は“待ち”になりやすいという構造があります。そのため、「自社から動く」という選択をする企業が増えています。
理由②:手数料が大きな負担になる
M&Aでは、仲介手数料が発生します。特に中小企業のM&Aでは、
- 数百万円
- 数千万円
になるケースもあります。
もちろん価値のあるサービスですが、案件規模によっては、手数料の負担が大きすぎると感じることもあります。そのため、最初の接点は自社で行うという考え方が広がっています。
理由③:本当に欲しい会社に出会えない
仲介会社が扱う案件は、「売却希望がある会社」に限られます。しかし実際には、表に出ていない会社の中に、本当に魅力的な企業が存在することも多いのです。そのため、自社から直接アプローチするという方法が有効になります。
直接アプローチ型M&Aとは
ここで改めて、直接アプローチ型M&Aについて説明します。
概要
直接アプローチ型M&Aとは、買収したい会社に、自社から直接アプローチする方法です。
例えば:
- 手紙を送る
- 電話する
- 面談を依頼する
といった形で、最初の接点を作ります。
イメージ
新規営業に近い考え方です。
例えば:
- 新規顧客を開拓する
- 新規取引先を増やす
これと同じように、「新しい会社との関係を作る」という発想です。
自分でやるM&Aのメリット
直接アプローチ型M&Aには、いくつかの大きなメリットがあります。
メリット①:選択肢が圧倒的に増える
仲介案件だけに頼る場合:→ 数十件
直接アプローチの場合:→ 数百社
検討できる対象が、桁違いに増えます。
メリット②:本当に欲しい会社に出会える可能性がある
仲介案件ではなく、自社が欲しい会社を選べる。これが最大のメリットです。
例えば:
- 同じエリア
- 同じ業界
- 相性が良さそうな企業
など、自社にとって理想的な企業にアプローチできます。
メリット③:交渉の自由度が高い
最初の接点を自社で作るため、
- 条件の自由度
- 進め方の柔軟性
が高くなるケースがあります。
自分でやるM&Aのデメリット
もちろん、注意点もあります。
デメリット①:手間がかかる
最大のデメリットは、手間です。
具体的には:
- 候補企業のリスト作成
- 手紙の作成
- 電話対応
- 面談対応
こうした作業が必要になります。ただし、新規営業と同じ発想で取り組めば、十分対応可能な範囲でもあります。
デメリット②:最初は不安が大きい
「どこから始めればいいかわからない」これは多くの方が感じることです。しかし、流れを理解すれば難しいものではありません。
自分でやるM&Aの基本的な流れ
ここからは、実際の進め方を簡単に紹介します。
ステップ①:目的を明確にする
まず最初に考えるのは、「なぜM&Aをするのか」です。
例えば:
- 新規事業を始めたい
- 人材を確保したい
- エリアを拡大したい
ここが曖昧だと、その後のすべてがブレます。
ステップ②:候補企業を探す
次に、買収候補企業のリストを作成します。
例えば:
- 同業種
- 近隣エリア
- 規模が近い会社
などを中心に、数十社〜100社程度リストアップしていきます。
ステップ③:アプローチする
次に、候補企業に対してアプローチを行います。
一般的には:
- 手紙
- 電話
を組み合わせて行います。ここが、最初の大きな山になります。
ステップ④:面談する
興味を持ってもらえた場合、面談を行います。この段階では、「いきなり買収の話」ではなく「情報交換」の姿勢が大切です。
ステップ⑤:条件検討・交渉
その後、条件の検討や専門家を交えた交渉へ進みます。
この段階では、
- 税理士
- 弁護士
などの専門家のサポートを受けるのが一般的です。
「100社アプローチ」という考え方
直接アプローチ型M&Aでは、数が重要になります。
例えば:
100社にアプローチ
↓
10社と面談
↓
数社と具体検討
↓
1社と成約
こうした流れは、決して珍しいものではありません。むしろ、現実的な数字感覚と言えます。
自社で進めるべきか?簡単チェック
最後に、あなたの会社が直接アプローチ型M&Aに向いているか、簡単に確認してみてください。以下に当てはまる場合、十分検討可能です。
- 新規事業を検討している
- 自社で動くことに抵抗がない
- 長期的に取り組める
- 候補企業が想定できる
もし、「できそうかもしれない」と感じた場合、一度整理してみる価値があります。
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